バラバラだった登壇資料をAIで一つの知識ベースに。NotebookLMでSRE NEXT 2025を120%活用する方法
2行まとめ
- SRE NEXT 2025 - NotebookLMを触ってみてください📔
- AIやオンライン配信で補完できるとはいえ、「その場でしか得られないもの」も多くあるはずなので、行く価値があると思ったら身銭を切ってでも参加しましょう🚀
はじめに
株式会社primeNumberでSREやEM、たまにセキュリティに関することをやっている高塚(@tk3fftk)です。
SRE NEXT 2025、素晴らしかったですね。今回初めて現地参加させていただいたのですが、懇親会含め自腹で参加してよかったな〜と思っております! さて、この記事では、カンファレンス参加時のAIの活用方法を探るべく、NotebookLMにSRE NEXT 2025の登壇資料をまとめ、その活用方法をいくつか提案します1。
SRE NEXT 2025 というイベントそのものについてはこの記事を読むような方は説明不要でしょうし、SRE NEXT 2025 参加レポートまとめ - SRE NEXT Staff Blogを見ると分かるとおり、すでにたくさんのまとめがあるので「OOというセッションが良かった!」的な話は飽和気味かなと思うので、あえて書いてません。サボリタイワケジャナイヨ
NotebookLMとは
Googleが開発したAI搭載の研究・執筆支援ツールです。ユーザーがアップロードした文書やメモを基に、AIが内容を理解し、要約や質問への回答、新たなアイデアの生成などを行います。研究者や学生、ライターなどが効率的に情報を整理・活用できるよう設計されています。
SRE Magazineでも、007号のしょっさん(@syossan27)の巻頭言:一人SREの孤独を埋めるNotebookLMでも触れられているので、ぜひご覧ください!
NotebookLMをどう使えそうなのか
出来上がったのはこちらになります。
(もし、登壇者の方でこの記事を読んで「NotebookLMに食わせるのをやめてほしい」ということがあればお手数ですが高塚まで連絡をお願いします🙇♂️)
公開されている限りの登壇資料のURLと、タイムテーブルのページをソースとして登録しています。 以下、NotebookLMの機能紹介を含め、いくつかの活用方法を提案してみます。
マインドマップ作成機能
NotebookLMでは登録したソースを元にしたマインドマップが作成できます。
作成の手順は以下の画像にあるとおり、チャットタブのマインドマップボタンを押せば右側のメモとして生成されます。

NotebookLMのマインドマップ作成ボタン
マインドマップを利用すると、カンファレンス全体の傾向の把握2や、興味ある分野の深掘りができます。流れとしては、以下のような感じになるでしょうか。
- 興味ある分野、トピックに対してマインドマップを展開していく
- 展開しきった個別のトピック、または途中のトピックに対しNotebookLMに問い合わせる
- さらにNotebookLM上で問い合わせ or 登壇資料を確認しに行く
ちなみに、NotebookLMのマインドマップの操作は以下のとおりです。

NotebookLMのマインドマップの操作
興味のある領域のキーワードやトピックから、関連するセッションの検索
NotebookLMを利用することで、カンファレンスの登壇における横断検索のようなものが可能となります。 例えば「SLOの話が行われたセッションを教えて」といった感じです。 概観から興味のあるトピックを見つけて深掘りするのはマインドマップで行い、はじめから興味のあるトピックがある場合はそのまま聞けばよさそうです。
Notebookの一般公開が可能
NotebookLM introduces public notebooks for sharing でアナウンスされているとおり、一般公開が可能となっています。
ただし、これは会社アカウントのNotebookLMでやると怒られると思うのでやらないように…!
この手のトラブルや、各々がNotebookを作ってしまう車輪の再発明的なものを避けるために、カンファレンス運営側が用意しておく、という未来もあるのかもしれません?
(作成時の小ネタ) どのセッションの資料がソースにないか確認できる
セッションのうち、資料がソースに含まれていないセッションを教えて などの質問をすると確認できます。
「このセッションは資料ないけど、パネルディスカッションだからないかもね」的なことも認識してくれているのでかしこい。
SRE NEXT 2025に関してNotebookLMを通じて得られた洞察
先ほどの利用方法をなぞってやってみます。
マインドマップ
1段目を展開するとこんな感じになりました。

SRE NEXT 2025のセッションをNotebookLMで生成したマインドマップ
このマインドマップから、SRE NEXT 2025では以下のようなトレンドがあることがわかります。
- AI/LLMとSREの融合に関する話題が大きなテーマ
- SREの役割やキャリアパスについての議論も活発
- 従来のSRE実践(SLO/SLI、障害対応、オブザーバビリティ)も重要なトピック
- 基盤技術としてKubernetesやセキュリティが継続的に注目されている
この次は、例えば「自分は今キャリアに悩んでるんだよね〜」という場合は、キャリアについてのセッションを掘り下げていくとよいでしょう。
検索
例えば、自分が今回興味を惹かれた、「Webサービスだけで完結しないサービスのSLOについてのセッション」を検索してみます。
Webサービス以外のSLI/SLOについて話されたセッションを教えて下さい
Webサービス以外のSLI/SLOについて話されたセッションとして、以下の発表が挙げられます。
-
「オフィスビルを監視しよう:フィジカル×デジタルにまたがるSLI/SLO設計と運用の難しさ」
- このセッションでは、株式会社ビットキーが提供する「workhub」を題材に、オフィスやビルの入退室、顔認証、座席予約などの機能を含むフィジカル×デジタルにまたがるサービスにおけるSLI/SLO設計と運用の実践的な知見が紹介されています。
- デジタルだけで完結しないサービスのため、SLIやSLOの定義、対応者、運用方法に独自の工夫が求められると説明されています。
- 具体的には、CUJ(Customer User Journey)を起点としたサービスレベル設計の進め方、物理デバイスを含めたサービスレベルの考え方、Datadogを活用したビル単位でのアラート運用などが紹介されています。
-
「対話型音声AIアプリケーションの信頼性向上の取り組み ~ Webアプリケーション以外でどうSREを実践するのか ~」
- このセッションでは、株式会社IVRyの対話型音声AIアプリケーションにおける信頼性向上の取り組みが紹介されています。
- 国内のSRE実践事例の多くがWebアプリケーション中心である中、Webアプリケーション以外のシステムにSREを適用することで、高い可用性や信頼性を実現できる可能性について議論されています。
- 特に電話を使用したサービスでは、システムダウンタイムやパフォーマンス低下が顕著な影響を与えるため、高い信頼性が求められ、外部サービス連携やリアルタイム性の確保がSRE実践における大きな課題とされています。
- LLM(大規模言語モデル)を使ったアプリケーションの信頼性、Webアプリケーション以外でのSLI/SLOの適用、そして「対話アルゴリズム的Anomaly」と「システム的Anomaly」の違いから考えるSLI/SLOについても触れられています。
これらのセッションは、SREのプラクティスやSLI/SLOの概念が、従来のWebサービスに限定されず、多岐にわたるシステムやビジネス領域に応用可能であることを示しています。
といった感じの回答が得られます。また、コピペしたので抜け落ちてしまっていますが、実際は回答に利用したソースのリンクがついています。
Limitation
- 無料プランではソースの上限が50までなので、50セッションを超える規模のカンファレンスでは課金が必要
- ソース登録がたいへん
- 今回は参加しながらXをwatchしてある程度リアルタイムに反映させていき、足りないものを後で補完したのでそこまでの大変さはなかった + まとめをしてくれている方がいたので後で補完できた。
- カンファレンスサイトやまとめサイトをスクレイピングしてURL一覧を出力するようなものが必要
- AI使えばすぐ書けるものではある
- 一気にソースを追加すると読み込みエラー率が高くなるので、10個ずつなど細かく区切って追加したほうがいい (体感)
- LLMなので嘘をつくことがある (≒ 精度の問題)
- 参照元は提示してくれるのだが、参照元を見に行っても全く関係ないことしか書いてないケースもちらほら見受けられた
- そもそも全く関係ない回答が混じってるケースも
- 現地に行くことでしか得られないものもある
- AIはあくまで、参加後のふりかえりや、聞けなかったセッションなどの補完目的
まとめ
- NotebookLMにSRE NEXT 2025の登壇資料を集約することで、マインドマップ作成や横断検索などの機能を使い、参加できなかったセッションも含めて効率的に知識を吸収できるようになりました。120%引き出せるかはあなた次第。
- カンファレンス運営側がNotebookを用意してくれるようになる未来もあるかもしれませんが、ソース登録の手間やNotebookLMの精度といった課題もあります
- AIツールは便利な補完手段ですが、現地でしか得られない体験や学びもあるため、カンファレンスへの実際の参加価値は依然として高いと考えています!
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参考文献
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NotebookLMに登壇資料をまとめてみるのは、はてなのid:masayoshiさんのアイデアを参考にしています ↩︎
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KubeCon + CloudNativeCon Japan 2025でやってみたらあまり概観っぽくなってくれなかったので、カンファレンスによるかもしれません ↩︎